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~ 校長室の窓から ~「 倫理科 吉岡先生の放送朝礼のお話 」

2017.02.23

みなさん、おはようございます。
さて、今年度も振り返れば、約11ヶ月が過ぎました。どのような一年だったでしょうか。
そのような年度末を控えた今日、皆さんと分かち合えたらと思うことを少しお話します。

もう、1ヶ月以上前のことになりますが、アメリカで大統領が交代しました。
印象深く記憶に残っている人もいるのではないかと思います。
その交代にあたり、アメリカ前大統領の、オバマさんの退任演説の中に、今の私たちに考えさせてくれるものがあったように感じます。
オバマさんに対する感想や政治に対する評価などではなく、彼の言葉から今日は考えていきます。
それは、オバマさんが、選挙スローガンとしていた「Yes, We Can」(私たちはできる)から、「Yes, We Did」(私たちは成し遂げた)と、任期の終わりに民衆に投げ掛けた言葉です。その、「Did」、つまり、「成し遂げたこと」に対して、民衆に言ったのは、「結束して求めた時に初めて、『チェンジ』が起きる。あなた方こそ『チェンジ』でした」、という言葉がありました。

さて、ここで聖書のお話にも触れていきます。
聖書の中に、長い期間病気を患い、悪くなるばかりの状態にあった病人(女性)が、イエス様にただただ、おすがりする気持ちで、
イエス様の衣服に触れたところ、病が治るという話があります。
衣服に触れられ、治った病人に対して、イエス様がかけた言葉は何であったか。
それは、「ひれ伏すがよい。どうだ、これが神のパワーだ」と言ったかというと、決してそうではありません。
イエス様がかけた言葉は、「娘よ、あなたの信仰があなたを救った。安心して行きなさい」と語られます。
これは、私個人の解釈になるのですが、大きく3つのことが表れていると思います。
1つは、「娘よ」と語られるように、誰でもない、イエス様を切から求め、望むその人に向けて呼びかけられていること。
2つ目に、「あなたの信仰があなたを救った」の言葉が示すように、その人が、その人自身の持っている、もしくは(その人自身の中にある)力により、変わる、もしくは出会いや出来事によって、自らが変えられていくということ。
そして、変わったその人に対して、3つ目に「安心して行きなさい」と、かけられる言葉。恐れることなく、不安に思うことなく、あなたが本来いるべき場所・社会に戻り、もしくは行き、あなたらしく生きるということを、ここでは示されているのだと私は考えます。
聖書の中に、イエス様を信じない人に奇跡が起こらないといった話もあります。

オバマさんの演説、聖書の話より共通する点は、誰しもが自らを変える力を持っており、そして、求め、信じれば変われるのだということです。

先日、本校でも入学試験がありました。この学校にどのような思いで、皆さんは入学してきたのでしょうか。誰かに何かを変えてもらえることを期待してきたかもしれません。しかし、むしろ、変える力を持って、変わることができるのは、他でもないあなた自身なのです。
特に学校という場所は、変わるために沢山のチャレンジをし、時には成功、時には失敗をし、沢山の良くも悪くも出来事などを経験するところなのだと、私は思います。綺麗ごとを言うつもりはありません。
年度の終わりに、今一度自分の持っている力に対して、自分は応えようとしているのか、自分の求めることに対して、もし壁に当たるなら、無理に一人で抱え込まず、今の力では難しければ、周りに助けを求めてみるのも一つかもしれません。
でも、忘れないでください。一人ひとり変わる力を持っていることを。

今年の四旬節の始めは、来週の3月1日の灰の水曜日からになります。
持っている力に感謝することも、まだまだだなと思うに自分に対しても、謙虚な気持ちで神様に自分の思いを聞いていただくことをしてみてはいかがでしょうか。

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