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~ 校長室の窓から ~ 「明日は創立記念日!」

2016.05.17

5月12日(木)放送朝礼のお話(Sr.大河内)をご紹介します。

五月に入り来週は創立記念日を迎え、聖ラファエラ・マリアの生涯を思い起こし記念するミサを捧げます。高三の方たちは覚えているでしょうか?「ラファエラ・マリア様と聖母マリア様は別の方ですよ」と中一の時にくどいくらい私が言っていたことを。今の中一の方たちにも同じことを繰り返し言っています。きっと今は笑って思い出せることも、中1だった当時には何の事だか、何故私がそんなに強調するのかもさっぱりピンとこなかった方も少なからずいるに違いありません。それだけでも六年間の成長の跡が見られて、私にとっては喜ばしい限りです。
でもここでもう少し、各学年の方たちも踏み込んで考えてみてください。清泉での年月をそれぞれ重ねながら、聖ラファエラ・マリアと聖母マリア、この二人の女性について、年を経るごとに理解が深まったとか、意外な側面を発見したとか、以前はわからなかったけれども、今は深く共感できる面があるとか、そんなふうに感じたことはあるでしょうか?
「清らかで美しい」、「嫌なこと、目立たないことでも率先して行う献身的な生き方」とか、そういうイメージだけで終わらせるのではなく、自分自身の成長とともに、彼女たちへの理解も成熟させていくことで、またさらに自分自身の内面の成長へつなげていってほしいと思います。ある方はお子さんを産んでからマリア様に対するイメージが変わったとおっしゃっていました。こんなに大変で面倒なことが子どもを育てていると次から次へと起きてきて、マリア様だっていつもあんなふうに静かに笑みをたたえていたわけがない!」と思われてから親近感を感じるようになって、こんなときマリア様はどうしておられたのだろう?と度々考えてみるようになったとおっしゃっていました。
私にとって、この二人の女性からいつも学ぶことが二つあります。それは良くも悪くも思いがけない出来事が起きた時、あるいは今までの経験だけからだけでは判断しきれないような未知の状況に遭遇したとき、彼女たちが見せる思慮深さと勇気です。福音書の中の、いわゆる受胎告知の場面、イエスを身ごもっていることを天使から告げられた時、マリア様は「何のことかと考え込み」、イエスを産んだ後に羊飼いがやってきた時も、「これらの出来事をすべて心に納めて、思いめぐらして」いました。そして、次には大胆と思えるようなことを行動に移していきます。
思いがけない出来事、自分では対処しきれないことに出くわしたとき、通常、人間の心理はもっともらしい理由をつけて回避しようとしたり、現実から逃避して葛藤を避けようと働きます。もちろん合理的に解決していこうとする力も私たちの中にはありますが、そこへシフトしていくには思慮深さと勇気が必要です。それは意志の強い人だけができることなのではなく、現実を肯定的に受け止める力、その現実には何かしら意味があるのだと考えて、その意味のために自分を賭けていくことができる勇気、そういったことを私は「神への信頼」と呼びますが、そのような意味での思慮深さと勇気があったら、思いがけない出来事や困難を乗り越えていくことができるはずです。聖母マリアと聖ラファエラ・マリア、この女性の魅力を皆さんがそれぞれもっと深く感じていくことができるように願ってこの五月の聖母月を過ごしていきたいと思います。

聖堂の聖ラファエラ・マリア像

聖堂の聖マリア像

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