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~ 校長室の窓から ~ 「中学卒業証書授与式の言葉」

2017.03.24

70期生の皆様、ご卒業おめでとうございます。清泉女学院は6年間の一貫校ですので、あまり生活自体は代わり映えがしないかもしれませんね。でも今日で義務教育は終了し、清泉で過ごす折り返し点に達しました。これからの3年間は自分のミッションを見つけるために色々なことを勉強するときです。
中3最後の行事となった広島錬成会はいかがでしたか。世界初の原子爆弾が投下された惨状を原爆資料館で見たり、語り部の方の話を伺ったり、たくさんの事を考える機会になったことでしょう。ですから何故広島に原子爆弾が落とされることになってしまったのか考えた人もいたと思います。
1945年、このときの世界情勢は、第二次世界大戦がナチスドイツの降伏によって終結に向かっていましたけれど、日本はまだ戦争をやめようとはしていませんでした。そこで、やめさせるためには何か決定的な手段が必要だとアメリカは考えていました。また科学技術の発展を考えると、まさにそのときアインシュタインの理論に基づきアメリカの物理学者オッペンハイマーが原子爆弾というこれまでに見たこともないような強力な爆弾の製作に、終戦直前の7月16日に成功していました。アメリカ軍の上層部は、この原子爆弾を用いて戦争を終わらせようと以前から考えていました。そして最終的に広島が選ばれた理由は、原爆の威力を試すための条件を備えていたためです。それは周りを山で囲まれ適当な広さを持った町であること、それまで空襲などで被害を受けていないこと、軍需工場が数多く存在していることなどです。だからといって戦争には直接関係のない一般市民14万人の命を、警告なしで一瞬のうちに奪っていいことにはなりません。これでは規模に違いがあるものの、最近海外で多発している「無差別爆弾テロ」と同じです。原爆投下を命令したアメリカ軍の上層部は、戦争終結を早めた正しい行為と評価されたかもしれませんが、倫理面からの配慮には欠けた行為だと思います。
私たち清泉における6年間の教育の中心にあるのはまさに心の教育、つまり正しい倫理観を育てることです。皆さんも高校を卒業するまでには、そのことをいつも心にとめて自ら行動してください。

さて今年度を振り返ってみると、どのような1年でしたか。
中1は初めての中学校生活がスタートしたわけですけれど、自分のことばかりではなく周りのお友達の気持ちも大切にすることができるようになりましたか。
中2はようやく学校生活も軌道にのり、落ち着いて勉強やクラブや委員会活動に励んだことでしょう。
高1は職場体験などを通じて、自分の将来の仕事をイメージできたでしょうか。
高2は修学旅行も終わり、清泉での生活も残り1年となりました。昨日は、この間卒業した67期の方々が来校され、大学入試が終わったばかりの今の心境や、受験勉強についてお話して下さいましたね。そのお話のなかで何人かの方の共通点がありました。それはまず学校の授業を大切にし、教科書をしっかり理解することが何よりも大事ということでした。そして自分にあった勉強方法をさがし、どのようにしたら楽しく勉強をすることができるか工夫すること。応用より基礎を固めることが大切なこと。国公立を志願したら、簡単にあきらめずに最後まで挑戦する気持ちを持ち続けるように、と助言して下さいました。受験が終わったばかりの方々からのメッセージはなかなか説得力がありましたね。

今年度の目標は -SURSUM CORDA(スルスムコルダ)-心を高くあげよ- でした。色々なことに挑戦できましたか。私もこの1年を振り返ってみると、いろいろなことに挑戦したつもりです。まだまだ試行錯誤の連続ですが、すこしでも皆さんと話が出来る時間をつくり、これからもチャレンジし続けたいと思います。
今年度、私たちを見守り導いて下さいました神様に心から感謝致します。

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