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校長ブログ

~ 校長室の窓から ~ 「2017年、スタート!」

2017.01.10

新しい年の放送朝礼のお話です。
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皆さん、おはようございます。
2017年がスタートしました。そして今日から授業も始まります。中1から高2の皆さんはあと正味2ヶ月で、それぞれの学年が終了します。今年度の目標 SURSUM CORDAを実現するよう学年の締めくくりに向けて時間を大切に過ごして下さい、高3の先輩たちはいよいよセンター試験も近づき最後の調整に入っているところだと思います。ぜひベストの状態で試験に臨めるように皆でお祈りしましょう。
先週の金曜日からすでにいくつかのクラブが活動を開始しています。7日の土曜日には管弦楽部が文京シビックホールで開かれたオーケストラフェスタに出場し、ヨハンシュトラウスⅡ世の「こうもり」序曲を演奏しました。華やかさと共に力強さが私たち観客に伝わりました。とても嬉しかったです。
ところでお正月に色々なニュースを見ていたところ、次のような記事が目にとまりました。囲碁の試合に関するものだったのですが、ネット上の中国の囲碁サイトにハンドルネーム「マスター」なるA.Iつまり人工知能の棋士が元日から参戦し、非公式ながら世界でもトップの棋士と見られる対戦相手を次々に破り、1月4日までに30勝無敗という脅威の戦績をあげた、というものでした。近年、チェスや将棋のトッププロが次々にコンピュータに打ち負かされるなか、打つ手の選択肢が桁違いに多い囲碁は「人類最後の砦」といわれていましたがその砦が破られたことになりますね。
又、別の記事は「私たちはどこにいるのか」というテーマで人工知能について取り上げていました。もと生物の教師だった芥川賞作家の川上 弘美さんが先ほど話題にした人工知能について次のように記しています。「ある研究者に人工知能の一番怖いところは何ですか」と聞いたところ『地球に一番いい環境とは何か』を人工知能に考えさせると『人間が最も悪い影響を及ぼすので人類を排除しろ』という結論になるとの答えでした」。つまり人類が自分の作り出した機械に滅ぼされるというSF映画にあったようなことが予想されるわけです。第二次世界大戦で、核分裂で発生する巨大なエネルギーを平和利用できれば明るい未来が予想できたのに、実際は原子爆弾として使用しまったことで、未だにその存在が人類滅亡の危機をはらむことになってしまいました。つまり人工知能の進化がまた同じことを繰り返す原因になるかもしれないということですね。
人の脳細胞が原理的にはコンピュータと同じということが明らかになった今、人の脳の構造と同じか、またはそれをはるかにうわまわる性能のコンピュータを造り出すことが技術的に可能な時代になりつつあるといえるでしょう。人の話す言葉を会話しながら各国の言語に翻訳する人型ロボットなどがすでに実用化されていますし、2020年東京オリンピックの頃にはタクシーの半分くらいが自動運転になっていると予想する学者もいます。これらの技術発展の先にはA.G.Iと呼ばれる汎用型人工知能、つまり鉄腕アトムのような、人と同様の生活ができるロボットの出現を予想する学者もいます。また、30年後位には汎用型人工知能を搭載したロボットと人間が結婚することになると断言する学者もいます。残念ながらか、幸いなことにか、わかりませんが私の生きている間には汎用型人工知能の完成は見られそうにありませんが、皆さんが大人になって高齢者に近づく頃には様々な種類の汎用型人工知能を搭載したロボットが実用化されていることでしょう。そしてその使い方を誤るか、悪用されたりすると人間がロボットに支配される世界が本当に出現するかもしれません。
新年早々ちょっと怖い話になってしまいましたが、科学技術の発展は常に両刃の剣で、その威力は時代と共に大きくなってきました。皆さんには、こういう時代に突入したことを是非自覚してほしいのです。身近な例として携帯電話を考えてみて下さい。もとは情報連絡の道具として利用されるはずのものが、最近ではイジメの道具として使われたりもする。つまりコンピュータもロボットも道具の1つなので、それらを造り上げた人間が正しい利用方法をしていれば問題は起こらないはずです。
2017年は酉年です。過去の酉年の例をみると色々なことが起こった騒がしい年だったそうです。世界の情勢をみても大きな変化が起こりそうな予感がします。どんな変化の波が来ようと乗り切れる力をつける1年にしたいものです。
最後になりますが、登校時に講堂の様子をみて気づかれたと思いますが、今日の昼から中学入試の出願がスタートします。来校された方々にお会いしたら、きちんと挨拶をするとともに心配りをして頂きたいと思います。

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