~ 校長室の窓から ~ 「中学卒業証書授与式・終業式の言葉」
2016.03.25
69期生の皆様、ご卒業おめでとうございます。
そして在校生の皆さんは今学年度もいよいよ今日で終了ですね。
69期の皆さんは4月から高校生になるわけですが、中学生から高校生になる心境はいかがですか。
皆さんは特にこれといった区切りもなく高校生になってしまうので特に学習面でのモチベーションが上がりにくいと思います。
しかし高校生になるに当たって注意すべきことが1つあります。それは高校が義務教育ではなくなるという点です。
今、朝の連ドラで「あさが来た」という番組を放送しています。主人公の「あさ」は実在の人物をモデルにしていて、
その方は日本で最初の女子大学を設立した広岡朝子という人だそうです。この明治という時代に女子が大学まで
進学することはとても大変なことでした。女性の仕事は、結婚して子供を生み家事をこなすことでした。
主人公の「あさ」さんは、2歳の時親が決めた相手と婚約して、高2の皆さんの歳には結婚していました。
これでは勉強などする暇はありませんね。
この事情は日本に限ったことではありません。当時先進国といわれたイギリスでも女性が自由に高等教育が受けられるように
なったのは日本の明治維新以降のことでした。高校生は知っているかもしれませんがDNAの二重らせん構造を発見したのは
ワトソンとクリークといわれていますが、その陰で、若くして亡くなったロザリンド・フランクリンという女性の研究が、
発見の重要なヒントを彼らに与えたといわれています。それなのに女性の研究者に対する待遇はひどいもので、
当時の大学では出入り口や食堂も男女で区別されていたということです。
このような歴史を振り返ってみると、今の私たちは女性だから出来ない学問など何一つない幸せな時代に生まれてきたこと
になりますね。ですから、この学問の自由を十分に謳歌していただきたいと思います。特に大学入試に必要な科目しか勉強
しないといった狭い考え方ではなく、自分の興味を抱く分野でしたらどんなことでも幅広く勉強してもらいたいと思います。
また苦手でと思っている科目も少し我慢して取り組むと思わぬ所で得意科目に変わることもあります。それらが将来どんな
場面で役に立つか今の時点ではわからないのですから。
今年度の目標は -SURSUM CORDA(スルスムコルダ)心を高くあげよ- でした。
皆さんは色々なことに挑戦できたでしょうか。私もこの1年を振り返ってみると、次々にするべきことが登場し、
瞬く間に時間が過ぎてしまいましたが、新しいことに挑戦もしてみました。これからも試行錯誤の連続ですが、
少しでも皆さんと色々な話を出来る時間をつくり、いろいろなことにチャレンジできる学校作りをめざしたいと
思っています。

先日、修学旅行 長崎コース「日本二十六聖人記念館」見学先から、
「SURSUM CORDA」を発見!との喜びの声が届きました。