~校長室の窓から~ 「2学期始業式の言葉」
2024.09.02
みなさん、夏休みをいかがお過ごしでしたか?きっと普段の学校生活ではできないことをたくさん体験できたことでしょう。休み中の皆さんの活躍を先生方から色々伺い、嬉しく思いました。皆さんもぜひお互いの夏休みについて分かち合ってほしいな、と思います。
さて、私はこの夏、知床に行ったり語学研修のグループとアイルランドに行ったりしました。皆さんにお話ししたいことは色々あります。でも皆さんと一番共有できる話題はやはりパリオリンピックかな、と思います。オリンピックを目指して、私たちの想像を超える努力をしてきたアスリートたちの姿を見て、競技種目に関係なく応援したくなりましたし、勝敗の結果に関係なくリスペクトを感じました。オリンピックは本当に心が熱くなるイベントでした。そして、私は競技そのものだけでなく、開会式にもとても感動しました。オリンピックの開会式は今までずっとスタジアムという閉ざされた空間で行われてきましたが、今回はセーヌ川やパリの広場といったオープンスペースで行われた、画期的な開会式でした。世界中からアスリートや観客が集まるオリンピックの開会式をパリの街全体で行う、という発想は大胆、という言葉では足らないくらい、びっくりすることで、どんな式になるのか、どのように警備を行うのか、ワクワクしながら、一方で何も起こらなければよいが、と少し心配しながらテレビを見ていました。演出に関しては色々言われているようですが、私はフランスらしく、素晴らしくおしゃれでユニークな式だったと思いましたし、何よりも無事に事故なくできてよかった、と心から思いました。
この、「街全体を使った開会式」についてマクロン大統領だったと思うのですが、オリンピックの前にインタビューでこんなふうに言っていました。「世界の誰もがやり方をわからないイベントでも、フランスなら開催の術を知っている」その言葉にはまさに、今まで誰もやろうと思わなかったこと、全く新しいことにチャレンジするフランス人の心意気や自信、そして誇りを感じました。もちろん綿密な計画、準備、リハーサルなど、表面には決して現れない大変な苦労があって、それを克服しての自信なのでしょう。でもいつも控えめであまり自信を大っぴらに言葉にしない日本人としては、そうやって「私たちはできる、やるんだ」と言いきれる誇り高いフランスを少々羨ましく感じました。同時に勇気づけられた気持ちもしました。
さて2学期が始まります。清泉祭を筆頭として行事が盛りだくさんです。学校の行事は毎年、同じように見えますが、同じではありません。テーマがもちろん違うし、リーダーたちも変わっていきます。その中で「今までやらなかったことにチャレンジする」という機会もあるでしょう。今までやらなかったことをやろうとするときは、必ず苦労や困難が出てきます。そんな時に先ほどの言葉のように、「私たちはできる、やるんだ」と自信と希望、そして誇りを持って挑んでもらいたいと思います。困難な時も自信や希望、誇りを持って進んでいく中で思いを実現する道が開かれます。先ほどの聖書朗読は神様が私たちのチャレンジを後押ししてくださるような言葉、ということで選びました。神様はいつも私たちを力づけてくださることを心に留めてください。